住宅営業は、「家を買う」という人生の一大イベントに立ち会う仕事です。その為、独特な責任感や緊張感を持たねばなりません。
また、住宅営業は自らの成績と給料額が直結しているケースが多い為、自分の頑張りを額面で確認しやすい点もやりがいに繋がりやすいと言えるでしょう。
今回はそのような「住宅営業への転職」について解説していきます。
目次
住宅営業はどんな仕事?
住宅営業の主な仕事は、「ハウスメーカーなどに所属し、建築を請け負う契約を貰う」という事がメインとなります。
また、「これぐらいの予算にしたい!」や「こんな家にしたい!」というお客様のニーズをヒアリングするのも、営業の大切な仕事です。
具体的に担当する業務内容としては、「集客」「商談〜契約」「施工〜引き渡し」「アフターケア」といった活動です。
自社の住宅商品に関しての幅広い理解や、お客様対応の方、基本的な法務知識、集客技術など広い分野への理解を求められる仕事だと言えるでしょう。
「家」という大きな買い物を通して、お客様と蜜月的に関わる事になりますので、長期間における信頼関係の構築が必要不可欠となって来ます。
よって、一般的な営業、特に新規顧客獲得のウェイトが大きい現場では「一期一会的な人間関係」が主体になるケースが多いのですが、住宅営業は「同じお客様とじっくり関わっていく」事が主体となるのです。
そういった点で、じっくりと丁寧に人と向き合いたいという方には、とても適した営業職になるものと思われます。
住宅営業の年収
住宅営業の給料形態は基本的に出来高制(歩合制)となります。
成約するごとに、基本給に追加でインセンティブとなる報酬が支払われる仕組みとなっています。
住宅営業の第一線で活躍されている方は、概ね年間400~600万程度の給与をもらっているパターンが多いそうです。
このような仕組みですので、当然ながら成績の良い方は高い報酬を受けられる一方で、成績が上がらなければ高い報酬を受けられない事となります。
よって、仕事の給与面において「安定」を求める方にはあまり向いていない職種だと言えるかもしれません。
給与面に「成長」を求める方には、その適性があると言えます。
未経験は住宅営業に転職するのは難しい?
住宅営業は「売れるか売れないか」という、二者択一の「弱肉強食の世界」です。
このようなシンプルな構造から、仕事上のビジョンを定めやすく、業務にも打ち込みやすいので、未経験者にも理解をしやすい世界であると言えるでしょう。
更に、住宅営業分野は安定的に求人需要があり、給料も成果報酬制なので採用する側も未経験の人を採用しやすいという面がありますので、この世界に未経験者が飛び込む際の壁はそれほど高くありません。
とは言え、お客様と話す仕事ですから、これまで事務職に打ち込んでいた方は適性が見当たらず、場合によっては企業側の採用意欲が下がってしまうかもしれません。
とは言え、「熱意さえあれば大丈夫」という企業もありますので、そうした未経験者を歓迎する場所を探せば問題ありません。
総じて、営業経験があればより転職しやすくはなりますが、未経験でも比較的転職しやすい職種、それが住宅営業という世界だと言えます。
住宅営業の転職に向く人
向いている人
①人と接する事が好き
②自分に自信がある
③押しの強さがある
④スケジュール管理能力がある
⑤自発的に勉強する意欲がある
⑥失敗しても自己分析をして、再挑戦する事ができる
住宅営業に向いている人の特徴を具体的に説明していきましょう。
①人と接する事が好き
営業職の基本ですが、住宅営業でもまさにこの点を欠かす事は出来ません。
企業の窓口となってお客様とやりとりをする機会が多い為、人と接する事が苦手だとストレスになってしまうでしょう。
またコミュニケーションを丁寧に重ねるほど、お客様が何を欲しているのか、そのニーズを掴めるようになるので、やはり「人と接する事が好きな方」に適性があると言えます。
②自分に自信がある
「営業担当の人柄で発注を確定した」というお客様も少なくありません。自分に自信があって、商品を自信たっぷりに持って紹介できる方はお客様から信頼をしてもらいやすい為、契約を取りやすくなります。
③押しの強さがある
お客様に購入してもらう為の決断をしてもらう為には、ある程度の押しの強さも必要です。
ずっと押しが強いだけだと「この人強引で嫌だな」と思われてしまいます。押すべきポイントを見極める事ができると尚良いでしょう。
④スケジュール管理能力がある
お客様の信頼を勝ち取るには待ち合わせ時間を守る事や、納期を守るなど基本的なスケジュール管理能力がとても大切です。
⑤自発的に勉強する意欲がある
幅広い事に関わる住宅営業は、自発的に勉強をして知識をアップデートする意欲のある人が向いています。
自社製品も定期的に変わるので、新しい製品の良い部分や悪い部分をすぐに把握する必要もあります。
また自社製品に関してだけでなく、建築や不動産に関する知識は必要です。また、お客様に安心してもらう為にも、資金繰りや住宅ローンや税金などの幅広い知識を持っていると尚良いでしょう。
⑥失敗しても自己分析をして、再挑戦する事ができる
こちらは「タフ」という表現も出来るかもしれません。
どのような仕事でも失敗をする事があります。失敗をしてもすぐに反省をして、何が良くなかったのかを自己分析できると、成績を伸ばすきっかけになるのです。
お客様によって求められる対応が異なり、経験を積むしかない部分がありますから、失敗しても落ち込まずに、そこから何かを学ぼうと思える方が住宅営業に向いています。
住宅営業の転職に役立つ資格
役立つ資格
①宅地建物取引士(宅建)
②ファイナンシャルプランナー
③住宅ローンアドバイザー
④建築士(1級/2級/木造)
⑤インテリアコーディネーター
未経験でも以下のような資格を持っていると採用されやすい傾向にあります。これより紹介する資格は、住宅営業になってからも取得するとキャリアアップなどに繋がりやすい資格です。
①宅地建物取引士(宅建)
不動産の売買においては重要事項を説明する義務があります。その説明を行う人は、「宅地建物取引主任者」となります。
宅地建物取引士の資格を持っていると、不動産鑑定士や土地家屋調査士へのステップアップもしやすくなります。将来のステップアップにも役に立つ資格なので、取得を目指すと良いでしょう。
②ファイナンシャルプランナー
こちらは家計管理や資産運用など金銭面のエキスパートといえる存在になります。
家の購入費用に関する面でお客様をサポートする事ができるので、安心してもらう事が出来ます。
③住宅ローンアドバイザー
住宅ローンに特化した資格です。住宅ローンなどの金銭的な部分においてお客様にアドバイス等を行う為の資格となります。
④建築士(1級/2級/木造)
設計に関するお客様からの疑問に答える際に有利になります。構造などを読み解く事ができるようになりますので、防災面などを意識した相談も受ける事が可能です。
⑤インテリアコーディネーター
「トータルコーディネート」という観点から考えれば、家の中のインテリアにこだわりたいお客様にも対応してあげたいと思うかもしれませんね。
このインテリアコーディネーターの資格があると、「お客様の求める快適な空間づくり」を具体的な提案をする事によって手伝う事ができます。
まとめ
本日のまとめ
(住宅営業はどんな仕事?)
ハウスメーカーなどに所属し、建築を請け負う契約を貰う
(住宅営業の年収)
・給与形態は基本的に出来高制(歩合制)
・相場は400~600万円程度
(住宅営業の転職に向く人)
①人と接する事が好き
②自分に自信がある
③押しの強さがある
④スケジュール管理能力がある
⑤自発的に勉強する意欲がある
⑥失敗しても自己分析をして、再挑戦する事ができる
(住宅営業の転職に役立つ資格)
①宅地建物取引士(宅建)
②ファイナンシャルプランナー
③住宅ローンアドバイザー
④建築士(1級/2級/木造)
⑤インテリアコーディネーター
以上、住宅営業に関するお話でした。
とにかく、「家の購入」というのは、多くの方にとって一生に数回しかない特別な人生のイベントです。
「家」というお客様にとってとても大切なものを扱う為、強いプレッシャーも伴います。
だからこそ、お客様の理想通りの家が完成し、お客様が心からの感謝をされた時など、とてもやりがいを感じる世界となるでしょう。
他の仕事ではなかなか味わう事の出来ない高い達成感を得られる――この状況が、住宅営業の醍醐味と言えるでしょう。