
ルート営業とは何か、良い所と大変な所はどの点なのか、深く掘り下げてみていきましょう。

世の中には様々な営業職がありますが、その中でも「ルート営業」は比較的、初心者が入りやすいというイメージがあると思います。
「今の営業職はちょっと難しいけど、ルート営業なら気軽そう」と感じて、転職先に選ぼうと検討されている方もいるかもしれません。
ただ、「ルート営業」にも当然ながら、その特徴や問われる技能性・専門性があるのです。
実際、現場でどのような業務を行うのかを知っておかなくては、いざ入社した時に戸惑ってしまうはずです。
今回は「ルート営業」についての理解を深める機会として、説明を施していきましょう。
目次
ルート営業は比較的初心者でも働きやすい転職先
多くの方が想像しているのは、「既存の取引先を回る=ルート営業」という認識だと思います。
そうした認識から、「飛び込みや電話営業も嫌だし、新規開拓の時に感じる胃がねじられるような精神的な負担に耐えられない」という営業経験のある方が、「ルート営業」を転職先として選ぼうとするパターンが多くあります。
ルート営業の業務内容は、現在すでに取引を行なっている企業を対象としたものとなっています。
ただし、ここで注意をしておくべき点は「同じ取引先でも、事業や社会全体の様子が刻々と変化をしている」というものになります。
そうした変化のある現場で、どのように営業をかけていくのか、という具体的な戦術を持って仕事を行う必要性が生じます。
取引先企業を回りながら、「現在困っている事はありませんか」「以前はこんな商品だったが改良された」というような内容を汲み取り、提案出来る営業活動を展開しなければなりません。
以前から取引を行なっている企業ですから、先般のイメージ通り、一般営業よりも気持ちの余裕は芽生えますし、抵抗感なく営業活動を行える人が多いのは事実です。
一方で、変化に応じた臨機応変のトータルコーディネート力が問われる現場だという点も、決して見逃してはいません。
・主なルート営業の職種
一般的に「ルート営業」が多いとされている職種は配送関係、不動産関係です。
配送関係というのは、企業側に毎回荷物を送り届けている関係性なので、あまり新しい営業に結びつく事はありませんが、時々紹介を受けての新規顧客開拓も存在します。
また、よく新規顧客や新しい契約に結びつけられるのは不動産関係です。
不動産関係は、新しい管理物件を増やす為に既存取引先にアプローチをする事もありますし、家賃保証などを行う会社であれば新規商品が出る事も存在します。
以上のように、ルート営業であっても、職種によっては新規開拓のような性質を伴う業務が舞い込む事もあるという訳です。
こちらは事前に調べておく必要があるポイントだと言えましょう。
営業力を磨きたいのであればルート営業だと視点を変える必要がある
ルート営業は、既存の取引先が対象となりますので、基本的には人間関係の構築はなされた状態にあります。
自社商品を認めてくれている相手が営業相手というのは、新しい商品をアピールし、対話をしやすいという部分があるので、飛び込み営業のように門前払いをされる恐怖感はありません。
ただし、その分、関係性から緊張感が失われ、自らの積極的な営業力を磨くという点では貢献性が薄いものだと言えるかもしれません。
もちろん、それはルート営業ならではの良さでもあります。
新規顧客をどんどんとっていくよう焦燥感があまりない世界ですので、そこまで貪欲に成果を求めずとも、何となくノルマが達成出来てしまうという事があります。
「営業職の過酷なノルマ」にうんざりしているような方は、そうした点を求めているかもしれません。
一方で、自らを成長させようという意欲に満ちた方には、少々物足りない現場になる可能性もあります。
もっとも、「ルート営業は今まで通りの事をしていれば良い」という考え方は危険です。
既存顧客だからと言って向上性を放置するのではなく、「少しでも商品が変わればすぐに報告をする」「必要に応じて定期訪問する」などの対応が大切です。
本来の営業職の特徴である「フットワークの軽さ」をルート営業でも発揮する事ができれば、それだけ成長や成果に直結していきます。
ルート営業の多くは法人を顧客として扱っているので、取り扱う金額も高く、ひとつの実績でも高く評価がされやすいメリットがあります。
現在の状況変化を適切に捉えながら、臨機応変に積極的な活動を展開すれば、キャリアアップを目指せるのです。
ルート営業ならではの難しさ
難しい点
・クレームが多い
・新しい商品が売れにくい
比較的、「一般営業よりは楽」というイメージを持たれる仕事ではありますが、ルート営業ならではの難しさも様々なものが存在します。
・クレームが多い
新規顧客を獲得する場合、お互いが最初の取引となりますので、しっかりとヒアリングを行ったり、話し合いがなされたりと、十分な信頼関係の構築がなされます。
こうした充実の事前調整から、「思わぬクレーム」が舞い込む事は稀だと言えます。
一方で、既存顧客を対象とするルート営業はすでに関係性が構築されている事から、お互いに「言わなくても分かるだろう」という事前調整不足の傾向が生じます。
この結果、「なぜもっと訪問や報告をして来ないんだ」と急に怒られたり、「他社でこういう商品がこういう価格で出ているのだから、君たちもそうしてくれ」と無理なお願いをされたりと、「思わぬクレーム」が業務を圧迫する事があります。
信頼関係は構築する時よりも、むしろ維持をする方が難しいという側面もあり、ルート営業はその点を十分に注意せねばなりません。
・新しい商品が売れにくい
会社としては、その都度おすすめ商品というものは変わってきますし、新しい商品も売り出されます。
一般営業でもルート営業でもその点に違いはなくて、ルート営業の場合はすでに導入して頂いている企業に向けて「新商品・新サービスが出ましたが、お使いになりませんか?」という営業をかけていかなくてはいけません。
この時、当然ながら企業側としては「既にあるものを、どうして新しくしなければならないんだ」という考えを持たれます。
余程のメリットが提示されなければ、保守的な対応になる取引先が多いはずです。
その点、新規開拓は最初から新商品の良さをアピールする事で契約に繋がる可能性が高いのですが、ルート営業はどれだけアピールしても成果に結びつきにくい事もあります。
その為、定期的にヒアリングを行って、困り事や相談に乗る等の人間関係を作っていく「マメさ」が、ルート営業には必要になって来るのです。
ルート営業は初心者でも飛び込みやすいが簡単な仕事ではない
以上のように、「ルート営業」は一般的な営業職よりも初心者が飛び込みやすい営業職という印象があるものの、「簡単な仕事」だと言う事は出来ません。
法人を対象とする事が多いので、高度なビジネスマナーが必要になりますし、状況変化に応じながら、小まめに人間関係の強化をしておく丁寧さも必要になります。
「簡単だろう」と思って転職したものの「結構大変だ」と驚く人も多い世界となりますので、ルート営業に転職したい!と思った場合は、しっかりと業務の難しさにも目を向けておきましょう。
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まとめ
まとめ
「ルート営業は比較的初心者でも働きやすい転職先」
・主なルート営業の職種
一般的にルート営業が多いとされている職種は配送関係、不動産関係
・フットワークの軽さをルート営業でも発揮する事ができれば、それだけで十分営業力を磨く事はできる
「ルート営業ならではの難しさ」
・クレームが多い
・新しい商品が売れにくい
(最後に)ルート営業は初心者でも飛び込みやすいが簡単な仕事ではない