不動産営業はきついことで知られていますが、きっと、何がきついのかイメージできない人も多いのではないでしょうか。
今回の記事ではそのような方向けに、実際にきついと言われている理由から離職率、相対的にきつくない領域に至るまでの道筋を詳しく解説していきます。
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目次
不動産営業がきついって本当?離職率は?
結論から言いますと、不動産営業はきついと言われる部類の仕事です。不動産業界の離職率が昔から高いのは有名な話です。
厚生労働省が公開している以下の離職率ランキングをご覧ください。
離職率の高い業界ランキング
1位 宿泊・飲食・サービス業 29%
2位 生活関連サービス・娯楽業 21%
3位 不動産業・物品賃貸業 16%
4位 教育・学習支援業 16%
5位 卸売業・小売業 15%
6位 医療・福祉 15%
7位 運輸業・郵便業 12%
8位 学術研究、専門・技術サービス業 11%
9位 情報通信業 11%
10位 製造業 10%
参照:厚生省ホームページ
このデータには三菱地所や三井不動産等のホワイトと名高い不動産会社も含まれているので、実際ブラックな不動産会社では3年で5割が退職するという状態になっているようです。
離職率の高まる原因としては「人材がどんどん入ってくる」「教育し育てる概念がない」ことが挙げられます。
プレッシャーに耐え、ノルマ達成し結果を残せた人には高い歩合を払い会社に残ってもらいますが、全く結果を出さない社員には冷たくなり自主退社を促すこともあるらしいです。
不動産営業がきついと言われる理由とは?
ここでは、不動産営業がきついと言われる主な理由を列挙していきます。
きつい理由①顧客からのクレーム
まず、不動産営業がきつい理由1つ目は顧客からのクレーム処理が挙げられます。
不動産は高額な商品である分、クレームになると凄い剣幕で迫ってくるのだそうです。
この業界では顧客から怒鳴られることは当たり前ですし、場合によっては掴み掛かられ他の社員が仲介に入ることもあるのだとか。まさに一触即発の状態。
きつい理由②労働時間の長さ
不動産営業がきついと言われる理由2つ目は、その労働時間の長さです。
この業界の労働時間が長くハードワークな職場であることが多いのは有名です。朝から夜まで働き詰めなのはそこまで珍しくありません。
繁忙期の2~4月、9~10月あたりは特にこの傾向が強いです。
睡眠時間が削られ、ストレスや疲れが蓄積しそれが限界に達すると離職につながります。
きつい理由③ノルマ
不動産営業がきついと言える理由3つ目は「上司から課せられたノルマ」です。
不動産営業は賃貸にしろ売買にしろ、「月に○件以上の契約」が当たり前のようにノルマとして課せられています。
営業成績が優秀な社員であれば上司から何も言われないでしょう。しかし、未達成の状態が長らく続くと、管理職の上司から頻繁に激しい叱責を受け、詰められることもあると聞きます。
そのため、営業成績が振るわない人は職場に居辛くなり自己都合で退職することが多いそうです。仮に残った場合でも、過酷な状態が続き疲れが慢性化します。
きつい理由④やむを得ない営業手法
不動産営業がきついと言える理由は、ノルマを達成するための強引ともいえる営業手段です。
この業界では「マンションを購入しませんか?」そういきなりチャイムを鳴らし個人宅へ飛び込み営業をすることもあります。普通にいったところで相手にされないので、あの手この手で何とか話しを聞いてもらおうと画策するのです。
「しつこい」とお客さんから怒られても、必死にしがみつく営業マン。(一度不動産の営業マンに電話番号を教えてしまうと、1日に何回も営業電話が掛かってくることもあるため、その気がないなら安易に教えない方が良いでしょう。)
他にもポスティングやテレアポを行い、考えられるあらゆる営業をかけていくため、本人の望まない形での営業を強いられることも珍しくありません。
きつい理由⑤不動産の勉強
不動産営業がきつい理由5つ目は、業界に関する勉強をしなければならない点です。
一般に、不動産の専門知識は法律や建築など幅広いため、仕事の合間に愚直に学んでいく必要があります。
これが、勉強が苦手な人にとってかなりの苦痛だそうです。
不動産営業できつくない場所はある?
前項で不動産営業がきついと言われる要因を解説しました。
それでは逆に、不動産営業がきつくない場所はあるのでしょうか?
きつくない場所①賃貸管理業がある
不動産営業が比較的きつくない場所1つ目は、賃貸管理業がある企業です。
ふつうに考えれば当然ですが、不動産営業において、毎月売上を立てても次の月にはまた新規顧客を開拓しなければならない…これはブラックになりやすい要因の一つです。
なぜなら毎月売上を立てないと成り立たない、ストック収益がない会社はその余裕のなさから、残業は当たり前、休日出勤、パワハラ、強引な商談が常態化するからです。
一方、毎月の売上が0になったとしても、ストック収益がある会社は比較的ホワイトな労働環境を維持しやすいでしょう。
不動産賃貸管理業がまさにそれです。毎月管理分の収益が安定的に入ってきますから、不動産仲介で売り上げが立たなくても会社を維持していけます。
きつくない場所②営業のインフラが整備されている
不動産営業がきつくない場所2つ目は「営業のインフラが整備されている」企業です。
どの業界でもそうですが、出来る社員に売上が依存している会社は、今後の企業としての発展が見込めません。
そもそも出来る人・出来ない人という発想も危険ですが、企業にとって大事なのは出来ない人でも出来るようになるまでの教育システムがあり、つまり内部のインフラが整えられていることです。それによって会社として一定以上の成果を生み出すことが可能となります。
転職する際には、出来ない人を許容し育てる内部体制があるかどうかを確認しましょう。売り上げを上げる仕組みが構築されている企業は、寛容である分、社内環境は良くなりやすいです。
営業のインフラが整えられている例
① トークスクリプト・業務マニュアルがある
② 研修制度が仕組み化されている
→業務がマニュアル化されていると、売上が安定しやすくなる。職人肌の経営者は無駄を嫌いこのような細かいプロセスを面倒に感じてしまいがちだが、企業を存続させるのなら最早当たり前のこと。
きつくない場所③収益不動産を保有
不動産営業がきつくない場所3つ目は「収益不動産を保持している」企業です。
収益不動産のある会社であれば賃料収入が定期的に入るため、社員の給与ベースを支払うことが出来ます。
余裕があるので短期間での成果を求められる可能性は低くなり、マイペースで営業を進めていくことが出来るでしょう。
きつくない場所④設立して数十年
不動産営業がきつくない場所4つ目は「設立して数十年経っている」企業です。
ベンチャーは資本力がないので、瞬間的な利益を追求する営業スタイルにならざるを得ない側面があります。
一方、設立して数十年経っている会社であれば、毎年実績を上げられたから存続しているわけでそれなりの内部留保や固定資産を保有しているでしょう。
老舗な企業を選択しておけば、ブラック労働を強いられる可能性は低くなります。40年の歴史があるとそれだけ続く理由があるのでしょう。
きつくない場所⑤不動産以外の事業がメイン
不動産営業がきつくない場所5つ目は「不動産以外の事業がメインである」企業です。
例えば、不動産以外の事業にはメーカー・小売り・金融等がありますが、それらの事業の方がメインで「不動産業はおまけでやっている」そんなスタンスの会社であれば、比較的ゆったりと働けます。
その場合、不動産業はその企業の資産管理会社的な立ち位置になることが多いです。資産管理会社は大抵の場合、営業目標を持っていないことが多く、メイン事業の余った資金を不動産にあてて会社全体の事業をリスクヘッジするという意味合いが強いためです。
きつくない場所⑥土日休みがとれる企業
不動産営業できつくない場所6つ目は「土日休みがしっかりとれる」企業となります。
不動産会社では「火水」が休みの場合と「土日」が休みのところと大きく分かれる傾向にあります。その違いはリテール営業(個人)か法人営業(企業)かということを示唆していますが、大体は「土日」休みの会社を選択した方がきつさは軽減されるようです。
リテール営業で扱う商品の価格レンジは数千万円であるのに対し、法人の場合数億円に上ります。大きな金額の差は取引件数にも影響し、必然的にリテール営業の方は稼働時間や件数も多くこなさなければならなくなってくるのです。
たとえ「火水」が休みでも顧客は土日休みが多いので、休日出勤を強いられることも多いでしょう。また、定時が18時でも顧客にとっては関係のないことですから、夜遅くに連絡をしてくることもしょっちゅうです。
きつくない場所⑦扱う商品が高級価格帯
不動産営業がきつくない場所7つ目は「扱う商品が高級価格帯である」企業です。
先ほどの価格レンジの話にも通じることですが、「賃貸仲介」と「売買仲介」、どちらがよりきついかと問われれば「賃貸仲介」の方がきついでしょう。
理由は扱っている商品の価格帯が「売買仲介」と比較すると2桁ほど違うためです。取引件数は大きく異なってきます。
「賃貸仲介」は一回の取引金額が数万円程度ですから、月10件程度のノルマを課されても不思議ではありません。(その中でも高級レジデンスに特化している賃貸仲介であればその忙しさも軽減されることでしょう。)
したがって、きつくない不動産営業を選ぶなら、その会社が扱っている商品の価格帯を調べるのがオススメです。
きつくない不動産営業ランキング
① 高級マンション、大規模な土地の仕入れ営業
② 一棟オフィスの仕入れ営業
③ 法人:売買仲介
④ 法人;賃貸仲介
⑤ 区分マンション、戸建用地の仕入れ営業
⑥ 個人:売買仲介
⑦ 個人:賃貸仲介
きつくない場所⑧女子社員が1割以上
不動産営業がきつくない場所8つ目は「1割以上が女性社員である」企業です。
転職する際は、事務や経理も含め、全体的な女子社員の割合を確認してみましょう。1割未満だと気を付けた方が良いかもしれません。
というのは、やはり男性社員と女性社員では厳しさに差が出てしまうからです。不動産業界は特に男性比率が高い業界ですから、女性には優しく、男性に厳しいのはざらにあります。
女性社員が多くなればその分雰囲気もマイルドになり、体育会系の厳しさを強いられることも減ってくるでしょう。
きつくない場所⑨IT化が進んでいる
不動産営業できつくない場所として最後に挙げられるのが「IT化が進んでいる」企業です。
この業界はITリテラシーが低めですから、50代以上のシニアの方でパソコンを触れない社員は普通に存在します。そういった社員がいる企業ほど保守的で、根性論に則ったきつい業務が課せられます。
そんな中、IT化への取り組みが進められており、ペーパーレス化、タブレットで連携しデータはクラウドで管理、社員が自宅でも仕事が出来るようにしている、なんてところも一部ですが存在しています。
どちらがよりきつくないかは容易に想像がつくでしょう。
将来を見据えて率先してIT化に取り組んでいる企業は、経営者の意識も高く風通しの良い会社である可能性が高くなります。
おわりに
今回の記事では、不動産営業が実際にきついと言われている理由から離職率、相対的にきつくない場所に至るまで詳しく解説していきました。
不動産営業で転職を考えている方はぜひ、当社を活用することをお勧めします。
~転職活動でよくある失敗例~
・安易に転職し経験社数が増える
→その後転職が不利になり希望の仕事に就くことが不可能になる
・キャリアコンサルタントのアドバイスは無視して自分の好き嫌いで求人を厳選
→客観性の欠如によりほとんどが失敗
※どの業界でも最初はプロの意見を取り入れるが吉
・転職活動を見送って数年経過。何もせずただ年齢を重ねてしまった
→選択肢がどんどん狭くなっていく。未経験のタイムリミットは30前半まで
・正社員経験がない
→その後の書類通過率が大幅ダウン
・「スキル>人間性」の価値基準を持っている
→スキルはあくまでも付加価値。人間性に疑問符があるとどんなに優秀でも普通に落ちてしまいます
このような失敗を回避するために、また手遅れになってしまう前に、落ち着いて仕事探しを開始しましょう。
不動産営業でも可、それ以外でもあなたが活躍できる仕事を一緒に探させて頂きます。
SPACE JOBではサポートを通じて、スキルはもちろん、人間性にもアプローチさせて頂きます。転職活動を一緒にがんばりましょう。