

不動産営業はエンドユーザーにとても近い場所に位置する現場です。自分自身でも部屋探しをする時に不動産会社に関わりますし、TVCMや広告、チラシなどでもよく不動産会社を目にする機会があるでしょう。
生活に馴染み深い職種なこともあり、営業の転職先の候補によく挙げられるのが不動産営業です。
しかし、実際のところ不動産営業ではどのような業務を行うのか、未経験者の転職事情について詳しく知っている方は少ないと思います。
そこで今回は、不動産営業が未経験でも転職可能な理由、未経験のデメリットから身につけるべきスキル、高収入に至るまで、初めての人にも分かりやすくお伝えしていきます。
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目次
不動産営業は未経験でも転職可能!
結論から言いますと、不動産営業は慢性的に人手不足ということもあり、未経験でも転職できる可能性のある世界です。
しかしながら、不動産業界にも様々あり、投資不動産などの売買物件を取り扱うものになると転職のハードルはグッと上がります。
転職難易度
・不動産管理会社(建物の管理を代行)…不動産業界経験が求められるが、中には未経験でも採用しているところがある。(対応力、調整力必須。)
→例:レオパレス21、積水ハウス、大東建託等
・不動産仲介会社(賃貸や物件の売買)…接客の経験が活かせる。未経験でもチャンスあり。(入社後は宅建資格取得する人が多い。)
→例:ホームメイト、センチュリー21、アパマンショップ等
・不動産販売会社(土地・住宅の販売)…不動産業界経験、宅建資格の有無が問われる。未経験は厳しい。(可能性0ではないが、かなり優秀でないと難しい。)
→例:住友不動産、野村不動産、三井不動産等
・不動産デベロッパー(大規模開発)…デベロッパー経験者募集がほとんど。未経験は厳しい。
→例:三井不動産、野村不動産、三菱地所等

不動産営業が未経験でも転職可能な理由とは?
不動産営業の仕事は、他の業界の営業職と比較して未経験でも採用されやすいのが特徴です。
毎年多くの人が未経験から不動産業界に飛び込み、きちんと仕事をこなせています。

1、人手不足だから
不動産営業が未経験でも転職可能な理由1つ目は「人手不足だから」です。
この業界は離職率が高いので、常に人手が足りていません。慢性的に人が足りていないので、学歴に関わらず人格者であれば未経験者でも採用したいと企業側は思っています。

と思われるかもしれませんが、そうとも限りません。(※会社によって異なります。)
人手が少ない一方で、昔は販売の手法が電話のアポや飛び込み営業が主流でしたが、現代ではSNSやメルマガ、ブログ等WEBマーケティングに真剣に取り組んでいる企業が増えています。
そのため、業務自体は昔よりも負担が少なくなってきていると言えるのです。

2、専門性は入社後に習得すればいいから
不動産営業が未経験でも転職可能な理由2つ目は「専門性は入社後の学習で身につけることが可能だから」です。
この業界の仕事自体は、専門性や知識がなくても入社後の学習で十分にやっていけるものです。なぜなら、未経験なら最初は研修があり、実践場面では先輩が同行してくれるからです。

さらに売買や賃貸問わず、不動産営業で最も重要視されている交渉力や提案力は未経験でも培うことが可能です。
確かに前職での経験が生かせたり、スキルがあるのであればプラスに評価されますが、あくまでも指標であり絶対ではありません。それよりも不動産営業の場合、厳しい競争世界の中で生き残っていけるだけの意志の強さ、やる気があるのかどうかの方が大事だったりするのです。
やる気溢れる新人は、知識をキャッチアップできれば、顧客にとっても会社にとっても必要不可欠な存在です。そんなやる気溢れる未経験者に将来の活躍や可能性を期待して、積極的に採用している会社も多く存在します。
不動産営業の転職における未経験者のデメリットとは?


未経験者が入社後、不動産業界に抱くデメリットとして以下のような点が挙げられます。(人によってはデメリットだと感じない人もいると思いますが…)
入社後に資格の取得が必要になる場合がある
不動産営業の転職における未経験のデメリットは「入社後、資格の取得が必要になる場合がある」ことです。
宅建(宅地建物取引士)や賃貸管理士(賃貸不動産経営管理士)等、会社をあげて不動産業界の資格取得を積極的に勧められることもあります。
簡単に取れる資格ではないので、覚悟を決めて学習する必要がありますが、長く不動産業界で活躍していきたいと思っている人にとってはキャリアアップにも転職にも、将来必ず役に立つ資格です。
メモ
宅建士の資格手当がある場合、月に2~3万円程貰えたりします。転職でも不動産業を営むためには、5人に1人の割合で宅建士を配置しなければならないという決まりがあるため、「宅建士急募」の会社へ応募すると採用確率が高くなります。資格取得までの学習は大変ですが、その分見返りも大きく、その後の大きな強みになります。


入社先が体育会系の職場である可能性
不動産営業の転職における未経験者のデメリット2つ目は「入社した先が体育会系な職場の可能性がある」ことです。

体育会系な職場の特徴
・気合と根性で困難は乗り切れると信じている
・論理ではなく力で解決を試みる
・飲み会で飲む量が半端ない
・上下関係が厳しく先輩至上主義
・後輩の飲食代は先輩がおごるのが当然
・ノルマ不達だと職場で罵声が飛ぶ
確かに投資でも賃貸でも、不動産業界で働いている=エネルギッシュで体格が良い人が多いという印象があります。その中には威圧感があったり、厳しい言葉を飛ばすような怖いイメージの人も存在します。
実際にベンチャーで創立間もない会社であれば、社内のサークル活動が盛んで、社員同士が家族のように仲良しというケースもあります。そのような体育会系の職場は馴染めれば最高に楽しいのですが、風土に合わない場合はいつまでも馴染めず苦痛を感じてしまいます。
ただ不動産営業全てが体育会系の職場というわけではなく、根性論よりロジカル重視、仕事とプライベートは完全に分離している会社ももちろんあります。
これは実際に面接へ行ったり、社員に話しを聞いたりしないと分からない部分ですから、入社する前に興味のある不動産会社には一度話しを聞きに行くことをお勧めします。


不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキルは?


続いては不動産営業で求められるスキル(能力)をチェックしていきましょう。これら人物像を意識しながら自分のスキルに磨きをかけていくと決意するのも良いですし、自分の適性を判断することも可能です。
①ストレス耐性
不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキル1つ目は「ストレス耐性」です。
不動産営業は数ある営業職の中でも、特にストレスの多い現場だと捉えられています。顧客からのクレームも多いですし、上司から目標達成に対してのプッシュもあるため「精神的に強い=タフ」でなければ、なかなか継続して働けない職種です。

人生は何かを得れば何かを失うというトレードオフになっているものです。そのため、人間の理想を全て叶えるなんて到底不可能なことだと気付けると、きっと今ある環境に感謝の気持ちが芽生えるに違いありません。
ストレス耐性は上手に気分転換する術を会得することで身につくこともあります。プライベートに楽しみを見出したり、趣味を楽しむ、人間関係を円満にする、睡眠や食事の質を上げる、気持ちの切り替えを早くする等工夫を施すことで、ストレスに強いタフなスタイルを身に付けることが可能です。
不動産営業に興味があって転職したいなと思う方は、最初から「ストレスがあって当たり前」というショックアブソーバー(ショックの吸収姿勢)を行っておくと、気分的にも楽になるはずです。
②体力
不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキル2つ目は「体力」です。
この業界は基本的に体力勝負です。朝早くから事務所に入り、チラシを手に営業活動を行ったり、店舗が閉まった後も顧客対応をしたりと、慌ただしい業務に奔走しなければなりません。
自分の体力としっかり向き合い、管理する能力を身に付けると良いでしょう。
ココがポイント
体力をつけるために運動や筋トレを始めるのも有効です。
元気があれば何でもできる精神で、なおかつ体力に自信があり体調管理に長けている人は、不動産営業に転職しても頑張っていけるはずです。
③コミュニケーション能力
不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキル3つ目は「コミュニケーション能力」です。
この業界は顧客とコミュニケーションを図る機会が多いため、必然的に高いコミュニケーション能力が求められます。
特に物件を売買する際には、契約に関して所有権移転など専門的な内容や用語も増えてきます。その内容を分かりやすく嚙み砕いて、顧客の納得がいく説明をしなければなりません。
④素直さ
不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキル4つ目は「素直さ」です。
この業界はいきなり成果が出ることは少なく、最初のうちは上司や先輩から学ぶ必要があります。

したがって、不動産営業でもまっさら素直な気持ちで吸収していける人は見込みがあります。
⑤フットワークの軽さ
不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキル5つ目は「フットワークの軽さ」です。
フットワークが軽く行動力がある方は、顧客からの信頼を得られやすくなります。

すぐに質問の回答を述べたり、分からない場合でも速やかに対応することで、信頼感はグッと上がります。
⑥学習意欲
不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキル6つ目は「学習意欲」です。
この業界では税法の知識等が必要となってきますが、それらの知識は日々アップデートされていくため、学習意欲がありしっかり勉強していないと、顧客からの質問に答えられなくなってしまいます。
他にも不動産業界には様々な資格があり、取得すれば手当もつきますしキャリアアップにも繋がります。不動産業界で生きていくなら業界の資格をぜひ取得しましょう。

宅地建物取引士について
・国家資格 ・年間20万人程度受験 ・合格率15%前後の難関資格 宅建の試験勉強では、民法や税法、宅建業法など幅広い知識を学ぶため、効率よく不動産の知識を吸収することが出来ます。

その他の不動産業界でお勧めな資格
① 不動産コンサルティングマスター…不動産のコンサルティングを行う
→宅地建物取引士か不動産鑑定士、一級建築士を取得している人のみ対象。合格率45%
② FP(ファイナンシャルプランナー)…顧客の総合的な資金計画を立てる
→実務に役立てたいなら2級~は持っておきたい。2級の合格率35% 1級は10%
③ マンション管理士…マンションの維持や管理のコンサルティング
→国家資格で合格率は低い。合格率8%
④ 任意売却取扱主任者…不動産を任意売却する知識を有している証明となる
→多くの不動産業者が受験している。合格率38%
⑤ 司法書士…不動産登記に有効
→紹介する中で最も難しい資格。合格率3%
不動産業界の資格は実務に直結することもあり、難易度が高めです。
1つでも保有していると給与やキャリアアップに繋がるため、自分の方向性に合う資格を目指すと良いでしょう
⑦ヒアリング力
不動産営業の転職で未経験が身につけておくべきスキル7つ目は「ヒアリング力」です。
賃貸契約でも売買でも投資でも顧客は大きなお金を動かすため、そう簡単には「ウン」とは言いません。それでも契約に繋げるためには、信頼関係を構築するために顧客の要望に耳を傾けなくてはなりません。
ヒアリングをして『この人はこれこれに不安を抱いているのではないか?気にしているのではないか?』と推測し、具体的に解決案を提示し良い提案を促します。
売買であれば、赤ちゃんのいる家庭において騒音事情や交通、学校環境、いざという時の小児科の病院について話すことで安心感を与えられます。顧客が想像している以上の提案が出来てこそ、顧客は大きな買い物が出来るのです。



不動産営業の転職で未経験者がいきなり高収入を狙う方法とは?


未経験者が不動産業界に入り、高収入を実現するためにはどんなルートが考えられるでしょうか?
以下に挙げてみます。
①売買の不動産会社を狙う
不動産営業の転職で未経験がいきなり高収入を狙う方法1つ目は「売買の不動産会社を狙う」ことです。
デベロッパーや土地の販売は高収入ですが、不動産業界でも難易度Maxですから、エリート且つ華やかな経歴&不動産業界経験を求められることが多いです。
一方、売買の不動産であれば、未経験でも入れる可能性を秘めています。もちろん何もない未経験では受かりませんから、他の人とは違う差別化要因が必要です。
その際、未経験でも差別化できる要素として、無形商材の法人営業の経験が挙げられます。無形商材の法人営業経験は転職市場での価値が高いため、不動産業界のみならず他業界でも引っ張りだこになります。
法人営業経験があり、そこそこ優秀な方であれば、売買の不動産会社への転職を狙うのがお勧めです。

市場価値
法人営業>個人営業
無形商材>有形商材
マネジメント経験有 人数(多)>(少)
20代>30代
もっとも、難易度が下がる賃貸の不動産会社であれば確実に入社できる!とお考えの人もいると思いますが、賃貸の不動産会社の場合、その先高収入を狙うのは難しくなります。

不動産業界の基本給は、新卒・中途問わず基本的に19~23万くらいが目安ですが、売買物件を取り扱う企業になると年収1000万円稼ぐ人がたくさんいます。
高年収を狙うならば、稼げる業界へ行くことです。しかし、その分倍率が高くなっているので、付加価値が求められるでしょう。
2、トッププレーヤーで活躍し出世する
不動産営業の転職で未経験がいきなり高収入を狙う方法2つ目は「トッププレーヤーで活躍し出世する」ことです。
王道な道となりますが、不動産営業では成果を出せば出すほど年収が上がるため、成績を出す営業マンは第一線で働き続けるという道を選択することが多いようです。
賃貸仲介でも成果を上げていけば、支店長やエリアマネージャー等、マネジメント職へのキャリアアップも可能です。
出世に伴って収入も高くなっていくので、高収入への道が開けます。

まとめ
今回は、不動産営業が未経験でも転職可能な理由や身につけるべきスキル、高収入の方法に至るまで網羅的に解説しました。
ここでは最後に、今までの内容を簡潔にまとめて締めたいと思います。
・不動産営業が未経験でも転職可能な理由は
①人手不足だから
②専門性は入社後に取得すればいいから
・不動産営業の転職における未経験者のデメリットは
①入社後に資格の取得が必要になる場合がある
②入社した先が体育会系な職場の可能性がある
・不動産営業の転職で未経験者が身につけておくべきスキルは
①ストレス耐性
②体力
③コミュニケーション能力
④素直さ
⑤フットワークの軽さ
⑥学習意欲
⑦ヒアリング力
・不動産営業の転職で未経験者がいきなり高収入を狙う方法は
①売買の不動産会社を狙う
②トッププレーヤーで活躍し出世する
不動産営業が未経験でも転職可能な理由や身に付けるべきスキル、高収入の方法に至るまで網羅的に解説したことで、漠然と捉えていた不動産業界のイメージがクリアになったのではないでしょうか。
不動産業界は平均年収も比較的高く安定しています。経験を積んでいけば賃貸から売買へ、売買から販売へ…様々なキャリアアップも実現できます。
新しく不動産業界に入りたいという志のある人でも、営業経験者なら業界未経験でも採用されやすいでしょう。※営業未経験であっても可能性を感じさせることが出来れば採用に至ります。
ぜひ、不動産業界に転職をしたいという方は弊社SPACE JOBをご活用下さい。