

IT営業を経験すると、「もっと他の営業職の事も知りたい」「自分が培った知見や技能を別の業界でも活かしたい!」と感じる方も少なくないと思います。
そのような時、自身のIT営業の実績や技能性のどのような箇所が転職の評価に繋がるのか、その点が気になりますよね。
今回は、IT営業から他の業種へ転職する際に有利なポイントがあるのかどうかや転職におすすめの業種についてお話していきたいと思います。
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目次
IT営業から他業種への転職が多い背景とは
まず、IT営業から他業種への転職が多い背景を確認しましょう。
一般的な営業職は、IT営業と異なり、5年後10年後どんな自分になっていたいのか一定のキャリアパスやプランを立てることができます。

どのような職種でも、こうした目的意識を持って仕事をすることで、自分の年収をアップさせたり人生の目標を据えたりすることができます。
ただ、IT営業の場合は、キャリアプランを立てようにも専門的な部分が非常に幅広く、また様々な技能分野で上を目指せばキリが無いという事もあり、「5年後10年後の自分」をどう考えていけば良いのかが不明瞭になってしまう傾向があります。
また、キャリアパスに関しては、一般的な営業職に比べると明確なポジションが少なく、「将来的なキャリア」に対するモチベーションがあまり上がらないという部分があります。企業によって仕事内容の区分けが細分化されており、名称もバラバラでスタンダードとなるキャリアが無い為、キャリアパスを検討しにくいのです。
そのため、IT営業に従事している人は分かりやすい形で、「マーケティング」や「人事」などにキャリアパスをする人が多くいます。
一方そうではなく、今後も「営業」として頑張ろうと思っている方で、これからの自分のキャリアパスやプランを立てたいと思った場合には、「他の営業にチャレンジしよう」と思われるケースも少なくありません。
IT営業が他業種への転職で評価されるポイントとは
IT営業経験者が他業種へ転職する際に評価されるポイントを把握している人はどれほどいるでしょうか。
「IT営業で成績を残した」「IT営業の世界で十分な経験を積んだ」と自負している方がいざ別の営業分野へ踏み出した時、自分が誇りに思っている実績や経験が役に立たないケースが案外少なくありません。

そこで、IT 営業から他業種へ転職する際にどのような部分が評価されるべきポイントであるかについて、十分な理解をしておく必要があると言えます。
専門的な知識を丁寧にわかりやすく伝える能力
IT営業を経験した人ならではの強みといえば、どのような専門的な知識であっても相手に分かりやすく伝えられる能力です。
営業といっても仕事内容はさまざまですし、取り扱っている商品サービスも様々なものがありますが、それがどのような分野であっても顧客や取引先がきちんと内容を理解してくれなくてはメリットが伝わりませんし、契約や受注にも繋げる事が出来ません。
IT営業の場合は、専門知識を駆使しながら契約に繋げていく事がほとんどなので、「相手にいかに魅力を分かりやすく伝えられるのか」という点に強い意識が向く事になります。
こうした意識は相手に向けたものではなく、自分に向けたものとして――すなわち「商品サービスをしっかりと理解しておこう」という自身の向上心にも繋がっており、そのスタンスがどのような分野においても役に立つスキルとなり得ます。
リサーチ&ヒアリング能力
もともと、IT営業の場合は顧客や取引先から今困っていること、改善したいことを聞き出す能力が必要になります。

的確な質問と相手の言葉を性格に理解する能力が必要なので、リサーチ力やヒアリング力が強烈に培われていくのです。
こうしたリサーチ力とヒアリング力は、他業種でも非常に役立ち顧客目線のサービスを提供できるので、信頼を得る事に役立てる事が出来るでしょう。
顧客との信頼関係を築く能力
IT営業の場合、一度契約や受注につながった顧客とは非常に長い付き合いになります。
契約や受注をした後も、納品までは丁寧に進捗確認をすることが大事ですし、納品後も不具合はないかアフターケアをする事にもなるのです。
このような顧客との関わり方やアプローチ方法、経験は非常に厚い部分があると言えます。
人というのは商品自体の品質にも注目をしますが、それと共に「この人から買いたい」という気持ちから生じる行動選択も大きいので、転職後も「〇〇さんが言うなら」という形で成績につながる可能性が高くあると言えます。
どんな企業にとっても、IT営業のように顧客との太い繋がりを得られるような営業力は需要性の高い人材であるといえます。
IT営業からの転職先としてオススメな業界とは
ITエンジニアのように可視化されたスキルが必要とされる技術職の方が「将来のキャリアの幅が広がる」とお考えの方は多いと思います。
実際にIT営業職はキャリアパスが非常に豊富で将来性にも満ちています。

それでは、IT営業から転職する場合、どんなキャリアパスがあるのか、一緒に見ていきましょう。
①社内のバックオフィス(人事やマーケティングなど)
IT営業からの転職先としておすすめな業界1つ目は社内のバックオフィスです。
一般的に、マーケティングや人事には専門的な経験が必要とされますが(経験5年以上等)、社内の異動となれば話は別です。すでに現場を知っているので、未経験でも希望すれば異動が叶いやすいといえます。
実際にマーケティング部は、営業にリードを橋渡しすることが役目なこともあり、背景が営業の人を喜んで迎え入れる傾向にあります。クライアントのニーズを熟知しているIT営業出身者は即戦力になると評価されやすいのです。
マーケティング部でもIT営業の経験値は役立ち、人事部でもIT営業で関わった人脈が活かせます。
②IT営業の関連職
IT営業からの転職先としておすすめな業界2つ目は「IT営業の関連職」です。
大手では、IT営業が細分化されていることもあって、派生する関連職が複数存在しています。

=IT営業の関連職の事例=
・インサイドセールス…アポ取得の電話営業
・パートナー営業…販売代理店に製品紹介
・プリセールス…PoCや技術実現可能性をプレゼン
・テクニカルアカウントマネージャ…カスタマーエクスペリエンス、カスタマーサクセスを実行する営業部隊
それぞれ数値目標は存在しますが、最前線のIT営業ではないこともあって心的負荷は比較的微少といわれています。
③ITコンサルタント
IT営業からの転職先としておすすめな業界3つ目は「ITコンサルタント」です。
ITコンサルタントの仕事は、クライアントからの課題を分析し最適な解決方法を提供することです。

ITや営業のスキルや経験はもちろんのこと、最新の情報をキャッチアップしておく必要性や素早い対応と的確な提案、課題解決によってクライアントからの信頼を得る必要があります。
よって、志願してもいきなりITコンサルタントとしての仕事に就くことはありません。コンサルタントになる前に多くの経験を積み、その知識と経験値を活かして成果を生み出していく過程を辿ります。
コンサルタントの企業で勉強をしていくか、エンジニアなどの現場経験を経てから転職するという流れで、ある程度のキャリアを積んでから最終着地点としてITコンサルタントに就くため、平均年収は800~1000万になります。
下積み期間は数年かかりますが、一度安定すれば最も地に足の着いた仕事ができますし、知識と経験が活きる仕事ですからやりがいは多いでしょう。

④外資系IT営業
IT営業からの転職先としておすすめな業界4つ目は「外資系IT企業」です。
外資系IT企業は高収入が実現できます。
その理由は、日本の基幹アプリケーションやインフラ、DB、サーバー、ネットワークなど…あらゆる技術がアメリカの寡占状態で値段も高額だからです。

キャリアプランとしては1~3年IT営業として働いた後、外資系IT企業に転職するとより成長が見込めます。英語力は役員クラスを目指すなら必須です。
⑤技術職(エンジニアなど)
IT営業からの転職先としておすすめな業界5つ目は「技術職(エンジニア)」です。
「実は職人気質でIT営業よりも技術職に本当はいきたかった」という人にはお勧めです。
エンジニアの場合、高度な技術力と幅広い知識が必要とされるので日々勉強漬けであるということは珍しくありません。
そのため、土日返上して学習する意気込みがないと、技術をキャッチアップするのは困難で中途挫折してしまいます。技術職→営業は数をこなせば慣れていきますが、営業→技術職の場合は相当意欲がないと大変苦しい思いをしてしまいます。

IT業界での経験は営業転職にも役立つ
一般的にIT営業を経験している人の転職先は、同じIT業界の別会社というケースが多いでしょう。
それでも、まったく同じ仕事内容になる訳ではなく取り扱う商品や顧客が違って来ますので、それだけ働き方にも幅が生じ、新しい技能や経験を得られます。
あるいは「全く別業界の営業に飛び込もう」と思ったとしても、IT業界で培った営業経験は幅広い意味で役に立つと言えます。
仕事や顧客への考え方1つを取ってみても、同じ営業経験者でも経験した業界によって違うものなので、ぜひ自身のIT営業の経験を勢いよく活用していきましょう。
「自分がどう成長していきたいのか」という展望を正確に理解する事をベースとして、次転職する業界を検討してみる事が、後悔しない転職の王道です。
「せっかくだから自分の経験を次にも活かしたい」と思うのであれば、自分のキャリアプランは慎重に掘り下げる必要があると言えます。
まとめ:IT業界で培った自分の強みを理解して営業転職しよう
以上、IT営業から他の営業転職をする際に役立つ評価ポイントをご紹介しました。
IT営業の場合、非常に契約や受注まで時間を要する事も多く、苦労をする反面、顧客との信頼関係を丁寧に築くスキルやヒアリング能力も自然と高くなっていくので、営業職に必要な能力を身に付ける事が出来ます。
こうした技能と経験をぜひ、転職に活用してみて下さい。